覚えておきたい!オレオレ詐欺の特徴

2020年1月の警視庁の発表によると、特殊詐欺は下記の10パターンに分類されます。

・オレオレ詐欺
・預貯金詐欺
・架空料金請求詐欺
・還付金詐欺
・融資保証詐欺
・金融商品詐欺
・ギャンブル詐欺
・交際あっせん詐欺
・キャッシュカード詐欺
・その他(上記に該当しない特殊詐欺)

中でも『オレオレ詐欺』は特殊詐欺の代表格として、その認知度は非常に高くなっています。

特殊詐欺の被害額

特殊詐欺の被害額は約301億円(2019年)で、5年連続で減少しています。
被害件数も1万6836件で、2年連続で減少しています。
その中でもオレオレ詐欺の被害額は減少しているとはいえ、総額で約111億円と特殊詐欺の中で一番大きな割合を占めています。

オレオレ詐欺とは・・?

主に高齢者に対して、息子や親族を装うなどして電話をかけて、様々な理由をつけて現金をだまし取る詐欺の事です。

オレオレ詐欺の例
従来は、息子になりすましていましたが、最近では孫や甥などになりすます手口も増えてきてきています。そのパターンとしては、
「会社の金を使い込んでしまった。」
「会社で重大なミスをしてしまい補填や賠償しないといけなくなった。」
「交通事故で相手に怪我をさせてしまい示談金や和解金を支払わないといけない。」
「交際相手とトラブル(妊娠・浮気・不倫など)になりお金が必要になった。」
「消費者金融や知人に借金をしていて、急に返済を迫られている。」
「株や先物やFXに手を出してしまい、大損をしてしまった。」
など、様々な理由をつけて、『お金を要求』してきます。

オレオレ詐欺の特徴


オレオレ詐欺には下記のような特徴があります。

1:用意できる範囲の高額なお金を要求してくる。
だいたい1回で30万~300万円が多い。
2:考える時間や相談する時間を与えようとしない。
被害者に時間を与えると、詐欺が失敗する可能性が上る。
3:絶対に本人(息子や孫)は現れない。
当たり前のことですが、詐欺なら本人が受け取りに来るハズがない。
4:電話がかかってくるのは、平日の昼間(9時~15時)に多い。
被害者がお金を用意できる時間帯に電話をしてくることが多い。

特に、2番の『考える時間を与えない』や『誰にも相談させようとしない』は『電話を切らせない』などはほぼ必ず実行してきますので注意が必要です。

なぜオレオレ詐欺が無くならないのか?

警察やメディアや金融機関が警鐘を鳴らしたり対策を講じても、オレオレ詐欺が無くならない原因はいくつか考えられますが、一番の理由は、
『詐欺をする側が、圧倒的に得をする』
『詐欺の被害を防止するする側は、損を最小限に食い止める』
立場の違いです。

これは詐欺に限った事ではありませんが、
『得をするための努力は、明確な目標があるので出来る』が、
『損を防ぐ為の努力は、得られる報酬が無いので腰が重くなる』のです。

つまり、
「300万円を儲ける(詐欺だとしても)為には、100万円を投資できる。」が、
「300万円を失わない為には、出来れば1万円も払いたくない。」ということです。

だからオレオレ詐欺を仕掛ける犯罪者は、次から次へと新しい詐欺を考え出したり、複数の人間を用意したり、お金をかけて個人情報を取得してまで新たな詐欺をおこなってくるのです。

なぜ詐欺犯は犯罪意識が低いのか?

それも幾つかの理由が存在しますが、1番の理由は
『自分たちがそれほど悪いとは思っていない』
からです。基本的に犯罪者も
『自分達のやっている事は、ある程度仕方がない事で許される範囲内の事』だと、自己正当化していないと、組織を安定的に運営するのは難しくなります。

詐欺犯罪者の主張
詐欺犯罪者の主張する正当性としては、社会に対する不公平や不平等や将来不安という考え方があるようです。具体的には、
「自分たち(詐欺犯罪者)は金を持っていないのに、高齢者は数百万円を払える財力があるので、多少は自分たちが貰ってもバチは当たらない。」
「高齢者は毎月年金を数十万円も貰っているのに、自分たちの世代は貰えくなる(少なくなる)かも知れない。」
「バブル崩壊や国が多額の借金を背負っているのは高齢者の責任なのに、不動産や貯金や収入(年金)があるので、自分たち(詐欺犯)が分け前を貰ってもそんなに悪くない。」
「高齢者が長生きし過ぎて、税金の多くが高齢者の医療費と年金に使われているので、自分たちに回ってこないのは不公平だ。」
など、あたかも一番悪いのは自分達ではなく国や高齢者だと思い込むことで、犯罪を正当化しているのです。

まとめ

この先も詐欺犯達は、次から次へと新しい詐欺を編み出してきます。
「怪しいな」とか「おかしいな」と感じたら、自分1人で抱え込まないで身近な信頼のおける友人や最寄りの行政や警察などに一言相談するように心掛けて下さい。